不動産投資

成功確率を上げるコツ

成功確率を高める3つのポイント

1)マインドセット

 今までどのように暮らしてきたかで、積んできた経験、受けてきた習い事、なにかを成し遂げるための継続力、そして思考のプロセスは人それぞれ違っています。不動産投資で必要な資質や能力はなんでしょうか。

粘り強さ、まじめさ、誠実さ、頭の良さなどでしょうか。

まじめにコツコツと粘り強く不動産投資の勉強して行動するというのは、よさそうに思えます。

しかし、実はそれよりも重要なのは、自分の頭で考えて臨機応変に対応する柔軟性と成し遂げるという強い覚悟です。不動産投資では、経済状況によって不動産市況や金融市況が絶えず変化しています。長い目で見れば日本社会は人口が減って住宅はより供給過多になってくでしょう。経済でもバブル崩壊によって経済状況が急激に悪化することもあります。

 そんなときこそ、柔軟に対応できることが必要になります。自分の頭で考えることは、まったく新たなアイデアを考えだすことではありません。成功している投資家の手法、銀行の融資スタンス、不動産会社からの情報などから自分で判断できるようにすることです。

 そして、不動産投資は大きな金額をあつかうことになるため、覚悟を決めて取り組まなくてはなりません。覚悟を躊躇するとき、アドバイスを求めるのは不動産投資の成功者からです。間違っても、自分の親や仲の良い友人ではいけません。その人たちに不動産の成功体験があれば別ですが、成功していない人からのアドバイスはあまり有効とはならないように思えます。

 努力は報われるといいますが、私自身、努力という言葉には抵抗があります。努力というと、歯を食いしばってストイックにやるようなイメージです。その言葉どおりで捉えると私は、不動産投資でそのような努力をしたことは一度もありません。

ただ、手に入れたい人生があるから、そのための行動をしただけです。努力したからではなく、不動産投資を成功させるために手順を踏んで、作業、行動しました。現時点の自分と理想の自分のギャップを埋めるために必要なことをするだけです。

2)メソッド

 不動産投資の勉強をはじめると投資手法がいくつかあることがわかります。主のものでは、中古1棟物、築古戸建て、中古区分マンション、新築1棟物や新築区分マンションなどがあります。

ここでのポイントは2つです。

 ・再現性

 ・アップデート

キャッシュフロー投資法では、よさそうな物件を見つけたら、必ず行うのがキャッシュフローシミュレーションです。数年でキャッシュフローを積み上げたいのなら、RC1棟物に集中した投資をおすすめします。その理由は、単純化したキャッシュフロー計算式で説明できます。

 年間キャッシュフロー=満室家賃収入ー銀行返済額ー諸費用

その中でキャッシュフローを大きく左右するのが銀行返済額です。銀行返済額に影響する数値は、金利と返済期間です。金利は銀行や借りる人の属性によっておおよそ決まっていますが、返済期間は物件の築年数に依存します。すなわち返済期間は、「物件の法定耐用年数ー築年数」となります。物件の構造によって差が出るのです。

法定耐用年数は木造20年、鉄骨造34年、RC造47年です。

残存年数:木造、鉄骨造、RC造で同じ築年数20年の例

木造:22年ー20年=残存年数2年

鉄骨造:34年ー20年=残存年数14年

RC造:47年ー20年=残存年数27年

利回りなどの条件が同じだとと、RC造は返済期間が長くとれます。返済期間が長いと返済金額は少なくなり、キャッシュフローが多くなるのです。

 前置きが長くなりました。投資手法で考えるべきポイントは「再現性がある」と「投資手法はアップデートさせていく」です。

再現性があるとは、誰かが成功した投資手法であっても自分に当てはめてうまくいくのかを検証して、同じ結果がでるのであれば再現性があると判断します。

例えば、ある投資家が大幅な指し値で築古戸建てを購入して、自分でDIYして高利回り経営をしているとします。そこに自分に当てはめて同じ手法が使えるかです。大幅な指し値は毎回受け入れられるのか?自分にDIY技術とそれをする時間があるか?など検証します。

自分に適した再現性の高い投資手法を採用しましょう。

 自分にあった投資手法を把握する上でチェックすべきことは、給与年収、保有している金融資産、使える時間、住んでいる地域などです。

 とはいえ、もしあなたが会社員であれば買うべき物件は二択。「RC1棟物」または「築古戸建て」です。どちらにするかは属性によりますし、投資手法の好みにもよるでしょう。

この本でのキャッシュフロー投資法は、融資を使うという前提での投資スタイルのためRC1棟物への投資を推奨しています。

ただ、「RC1棟物」からスタートできない方でも、「築古戸建て」からスタートしてキャッシュフローがまとまったところで「RC1棟物」に切替を行うこともできます。最終目的がFIREであるなら時間はかかりますが、検討すべき投資法です。

 不動産投資では実に多くの投資家が成功しており、セミナーや講習会や書籍などで投資手法を公開しています。成功者たちは、元々親が資産を持っていたとか不動産会社を経営していたという方もいれば、年収500万円以下の会社員から成功したという方もいます。成功者たちのバックグランドはそれぞれです。成功者が不動産投資をはじめた時点での属性を見てみるといいかもしれません。あなたと同じような属性の方の手法はきっと参考になるはずです。

 そして自分の投資手法を「より上手に、より早く」アップデートさせていきましょう。

自分の投資手法を確立しながら常に他の投資家の手法を学び、いいところを取り入れてアップデートさせていかなくてはなりません。私たちの取り巻く環境は変化しています。その変化は、年々スピードアップしてきているようです。

 「より上手に、より早く」は、投資手法と言うより術の部分です。「より上手に、より早く」を物件情報収集に、物件売買の交渉に、銀行融資の交渉に、管理会社との連携に、満室経営の維持に、など多岐にわたります。もちろん経験的を積めばスキルアップしていきますが、より意識的に投資手法を上達させていきましょう。

3)モチベーション

 高い目標は、強いモチベーションと自分への厳しさが必要となります。

ここからあなたに厳しい数字をみていただきます。

不動産投資で成功するには、数字で見ると狭き門です。国内で不動産投資をしている人数は株式投資をしている人数の5%です。その中で会社員からFIREまでにたどり着けたとう人たちはどれくらいいるのでしょうか。

 統計がないからわかりませんが、フェルミ推定という手法で考えてみます。楽待サイト登録会員数は20万人です。その内の専業大家として会員登録している割合は1%だそうです(2020年5月時点)。会社員からFIREして専業大家へシフトした割合はさらに少ないため、確実に1%を下回ります。

 また総務省の統計では不動産投資をしている人数(世帯)は140万でした。その内6割が高齢者でしたので、のこりの4割は現役世代の投資家とします。その人数は56万人となり、日本の労働人口は6900万人ですので現役世代の不動産投資家の割合は、0.8%となります。会社員から不動産投資でFIREできた人の割合は56万人の1/10としても5.6万人です。可能性は0.1%もないことがわかります。

 わたしは経験上、正しい手順を踏み正しいやり方で継続すればFIREできると信じています。この数字を見ていただいた目的は、高い目標であることの理解、強いモチベーションと自分への厳しさがないと達成できないという現実です。

 この数字をみて、あなたはどう感じましたか?FIREできる可能性が低いのでやめようと思いましたか?0.1%以下と推定しましたが、「あなたのFIREできる確率が0.1%以下」ではありません。あなたのFIREできる可能性はあなた自身の行動によるのです。あなた次第でFIREへの年数や確率は大きく異なってきます。あなたが100%FIREできるように本書は応援します。

 では、どうしたらよいのでしょうか?モチベーションを維持するためにポイントを整理します。

・自発的に行動するように「やりたいからやる」ことを作る

人間は「やらなければならない仕事」となったら、気力がなくなることもあります。義務感はすてましょう。

・「何をするか、いつするか、どのようにするか、誰とするか」を書き出す

具体的な目標を見える化します。スマホのメモなどに記録しておくとよいでしょう。

・目的を明確にする

不動産投資でなにを達成したいか、なにを手に入れたいかを明確にする

・それは自分にとって「価値があるか」「達成可能か」を確認する

あなたにとって、価値があり達成可能であればモチベーションもあがります。

・行動して熟練度を上げる

例えば、自分の好きなスポーツで考えてみるといいかもしれませんが、上手になればやる気がでてきます。人よりも上手であればあるほどそれが好きになります。不動産投資も熟練してスキルアップしていけば、モチベーションも楽に維持できるのです。行動して熟練度を上げれば投資効率もアップしていきます。

【投資熟練度を上げるための行動】

 概要書からキャッシュフローをシミュレーションする

 近隣の銀行に融資の依頼をする

 現地調査を行う

 仲介会社への入居付けについてヒアリングを行う

 先輩投資家との会話

上記はあくまで一例です。