不動産投資

不動産投資がFIREに有利な4つの理由

 1.不労所得であること

  不動産投資は、完全なる不労所得ではありません。こういうと、「不労所得っていったじゃん」というお叱りが聞こえてきそうです。しかし、ほぼ不労所得と言い切ってもいいかと思います。株や投資信託などは、買ってから売るまで放置するため完全な不労所得です。いっぽう不動産投資は、物件を買ってから自分で管理するとなれば自身の時間と労力を使わなければなりませんが、自分でやらなくても物件を管理する雑多な業務は管理会社に丸投げできます。当然、私もそうしています。不動産投資に費やす時間と労力は、会社での仕事に費やす時間と労力の1/10、いや1/100ですむかもしれません。

物件を探すのはWebを使えば夜中でもできますので、時間に縛られることはありません。

せどりなどの副業だと、常に売り買いの作業や手間が発生します。不動産投資は、買ってしまえばほぼやることはありません。やることといえば、空室を埋めるための適正な修繕と管理会社と連携して管理していくことくらいです。修繕も工事会社がやりますので、物件の現場に行ってなにかすることはありません。

 時間にしばられないので、本業にも専念できます。

不動産投資の投資のサイクルは長いです。株式やFXと違ってチャートを見ることがありません。チャートが気になって仕事が手につかないなんてこともありません。

しっかりと本業に注力できるはずです。

不動産投資のサイクルとして、主に次のような流れになります。

 ①物件を探す

 ②買付を入れる(この物件を買いますという意思表明)

 ③銀行への融資依頼(1ヶ月以上かかることが多いです)

 ④売買契約(銀行融資の内定がでるタイミング)

 ⑤金銭消費貸借契約(銀行にお金を借りる契約)

 ⑥決済(融資実行と所有権移転で物件があなたのものに)

 ⑦賃貸経営(満室経営に向けてがんばりましょう)

これらのサイクルはどんなに早くても1ヶ月以上はかかります。

③~⑥までの局面では、仕事を休まなくてはならないかもしれませんが、融資依頼から決済以外の局面では、本業に専念できるはずです。

 私も本業の傍ら不動産投資を10年続けてこられたのも、本業に専念できる投資であったからです。私は10年間で10棟を買いました。平均すれば1年間に1棟を買ったことになります。買う局面の約1ヶ月から2ヶ月くらいは少し時間が取られます。しかし、そのほかの期間はほぼなにもすることがありません。たまに管理会社から空室連絡がありますので、その対応くらいです。忙しい会社員との相性がいい投資ではないでしょうか。

 

2.再現性があること

不動産投資の成功のカギは、物件を買うときにあります。いかに多くのキャッシュが残る優良物件を手に入れるかで成否がきまるでしょう。

収益不動産は得られる家賃収入がきまっています。収入は購入時に判明している収入以上に増やせません。管理費や固定資産税などの支出もおおよそきまっています。もちろん銀行への返済額もきまっています。

 収入と支出がわかりますので、買う前に物件から得られるキャッシュフローを計算できるのです。

 再現性があるという2つの理由

 ・物件のスペックから得られるキャッシュフローが計算できる

 ・物件を同じ融資の条件で買ったとしたら、誰が買っても同じキャッシュフローが得られる

 さて、再現性があることは、買ってはいけない物件を買ったら失敗するという再現性もあることになります。

もっとも買ってはいけないと個人的に思っている物件のひとつに、新築区分マンションがあります。

それを買ったら、あなたがのぞまない結果になることまちがいありません。なぜ、ダメなのかは本書を読み進めていただくとおわかりになるでしょう。

 失敗する再現性もあるので、買うべき優良物件と買ってはいけないダメ物件を見極める選球眼が必要です。選球眼の作り方は、キャッシュフロー投資法の3つのルールで詳しく解説します。

キャッシュフロー投資法の3つのルールは、キャッシュフローをシミュレーションすることです。シミュレーションは誰がやっても同じ結果となります。その結果をキャッシュロー投資法のルールに当てはめて投資の判断をします。

 

3.時間の経過が有利に働く2つの理由

 時間の経過が有利に働く2つの理由は、「収入が積み上がる」ことと「残債が減る」この2つです。

「収入が積み上がる」とは、毎月の家賃収入が入りますので、必要経費以外に支出をしなければ間違いなく銀行の残高は多くなっていきます。毎月キャッシュが積み上がりますので、会社員の生活水準を維持すれば確実にFIREに近づいていけるのです。

 そして、銀行返済が終わった時点で物件からの収入は激増すると同時に大きな資産が手に入ることになります。売却したとしても銀行への返済がありませんので、売却益も大きく取れるのです。

 時間の経過が不動産投資に有利に働くならば、不動産投資のスタートが早ければ早いほどFIREに有利になります。可能な限りスタートダッシュを早く切りましょう。

2021年時点では10年前と比べて物件価格が高く利回りは低くなっています。今は投資に値する物件が少なくなっているのです。しかし、投資に値する優良物件はゼロではありません。私も2021年9月に利回り13%の物件を買えました。行動すればチャンスは巡ってきます。巡ってきたチャンスをチャンスと捉えて物件を購入できるように準備を整えておきましょう。時間の経過は、優良物件に出会うチャンスを多くします。チャンスをつかみ、所有物件を増やしていけば、積み上がる収入も増えていくのです。

 「残債が減る」は、銀行への融資残高が減ることです。長期的に見れば、融資残高が減ることにより返済リスクを減らせます。また、新たに銀行に借り入れることのできる枠が空くことにもなります。当然、新たな銀行を開拓する場合、長期的に堅実な賃貸経営を続けていればプラス評価となり新たな資金調達先を確保できるのです。

 融資期間は短くて10年、長いと30年です。返済が終わる10年から30年先には、物件からの利益は大きく上がることになります。年金問題におびえることはもうありません。

 

4.景気に左右されにくい

 家賃収入は経年により緩やかに下落していきますが、適切な修繕により下落を止めることもできます。付加価値をつけたリノベーションで家賃を上げることもできます。賃貸経営のノウハウやスキルを身につければ景気のどのような局面でも家賃を減らさなくてすむのです。

 私の場合も2019年末から始まったコロナ渦にあっても、ほぼ満室を維持できましたので収入を減らすことはありませんでした。空室を埋める対策と対応をしていれば、入居が決まります。不景気だからといって収益がガクンと落ちることはまずありません。

 ただし、物件を買うことについては知っておいていただきたい関係性が2つあります。

 1)融資状況がよいときは、物件が高くなる

 2)融資状況が悪いときは、物件は安くなる

物件が高いと、当然利回りが低くなりますし、物件が安いと、利回りは高くなります。

2020年は、コロナ問題の対策で市中に多くの資金が流れました。当然、経済は不況であるにもかかわらず、物件高く利回りは低いままでした。

日本政策金融公庫を例にとれば、ここ数年の2019年までの融資実績は40万件前後で金額は2兆から2兆4千億円でした。しかし、2020年には95万件、金額が92兆円近くになっています。このように市中に流れるお金の量が増えると、行き場を失ったお金が株や不動産にいくことになり価格が高い水準で推移することになります。

 だからといって、収益性の低い物件を買うことはNGです。数は少ないですが、優良物件が出てきますので、それまでじっと我慢です。